教育費に身ぐるみはがされた中年サラリーマンの逆襲

教育費の巨人にアラフィフサラリーマンが無謀な闘いを挑みます。

かつてネトゲで数十人を率いた妻の「マネジメント論」その5

久々の妻語録です。
あっと言う間に新たな年を迎えておりました。
みなさま本年もよろしくお願いいたします。


2011/5/30 21:55
平日は二人の育児を妻は一人でこなす「もちろん疲れるし、もうだめと思う時もあるよ。そんな時は魔法の言葉を思い浮かべるの。それは『過渡期』。もう少しで楽になるって思えて頑張れるの。あなたへ要求が多いって?それはきっと『過渡期』だからだよ(笑)」そうか…って納得できるかい!


2011/6/4 14:03
飲み会から帰ると妻が聞いてきた「今日の成果は?」「え?」「行くからには目標があったでしょ?」「普通に会社の飲み会やけど」「それでも普段聞けない事を聞くとか、情報提供するとか、もっと仲良くなるとかあるじゃん」「…」「ま、まさか『のび太の心』で行ったの??」…ど、ドラえも〜ん(涙)


2011/6/5 14:54
トイレの練習中の娘。さすがに外出時はと思いオムツをはかせようとすると妻「おもらしする度にオムツはずれに近づくんだよ。だからパンツはかせて。ケンカを恐れてたら本当の友達なんかできないし、事なかれ主義を通してたら大きな仕事なんかできないよ。あなたのいう安全策ってただの逃げだからね!


2011/6/26 22:54
放置しているタスクについて妻「それは『ToDoの魔物』だね。魔物は2,3個のステップに分解すれば退治できるよ。例えば、『英語の勉強をする』じゃなくて、まずは『英会話学校を調べる』とか。あなたのタスクリストは魔窟になっているから、今日中になんとかしてよね」…伝説の勇者を探さねば。

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2011/6/29 22:41
妻「新しい仕事でリーダーがまずやるべきことはメンバーの力量を計ること。時間をかけてしっかり観察するの。できないことはいくら言ってもできないんだから、その事実を早く知って対策を練るのが大切。うまくいかなかった時に『メンバーがハズレだった』とか言うリーダーっている意味あるのかしら


2011/7/2 06:32
かつてネトゲで数十人率いた妻「メンバーを徹底的に観察してみんなの動きを『分単位で』予測できるように補正していくの。マネジメントってタスクを管理することじゃないよ。予測と現実を近づけていく作業だよ。期日を守るために遅くまで働いても意味ないよ。」専業主夫という言葉が頭をよぎりました。


2011/7/2 10:04
かつてネトゲで数十人率いた妻がさらに「今日の仕事を報告してみて」「うーん。資料書いて会議に出たよ。長かった」「それ小学生の日記?何も考えずに仕事してるね。できる人は当初の計画とやってみた結果、さらに今後どうしたいかまで話すよ。ちゃんと考えながら仕事しな」…この目から流れる物は何?


2011/8/4 08:16
かつてネトゲで数十人率いた妻「他人に話しかけるのは誰にとってもストレスなの。無視されたり期待と違う返事をされるといやだからね。だから上司の代わりにそのストレスを請け負って先に話しかける部下の評価は高いの。聞かれて初めて悪い報告をするなんて最悪だよ!」だからワシントンは…


2012/1/3 02:48
妻が怒って「『今日、面白いこと言うたった〜』って帰って来ることあるけど、それは聞いてる人があなたの話にしっかり耳を傾けて、盛り上げて、面白くしてくれたんだよ。あなたはそういう努力を一切しないから、あなたにどんな話をしてつまらないの!まるで芸人殺しの徹子ね!」ルールル…(涙)

1ヶ月でTOEIC130点アップ! かつてネトゲで数十人率いた妻の英語勉強法

英語と簿記と法律と

会社で成功したかったら、自分の専門分野に加えて、英語と簿記と法律の勉強をやっておきな

と妻に言われたのが5年前。結局どれも手に付けられないままでしたが
ついに重い腰を上げて英語を勉強することを決意しました。

とにかく始めなさい

そのことを妻に伝えると、妻が早速動きはじめたのです。

勉強とか趣味とか新しい事を始める時、最初に力をかけるべきことは、それをやる時間を確保すること。時間を確保して実際に始めたら自然とやることも見えてくるよ。『やりたいことがあるのにできてない』と愚痴っていても何もかわらないし、こっちも気分悪いだけから、まずきちっと時間を作りなよ

その日中に、妻はSkypeでの英会話教室を申し込みました。
そして僕は毎日帰宅後にSkypeでのレッスンを受けることになりました。
少なくともレッスンの時間は英語勉強の時間として確保されることになったのです。

1週間続けたら習慣になるから、悩んでないでまず始めなよ。一方で、無駄な事も1週間続けたら習慣になっちゃうの。だから意識して無駄を切り落とすことも大切。そうしないと新しいことなんて始められないよ…っていってるそばから何でマンガ持ってトイレに向かってるの!

…というわけでトイレでマンガを読む習慣も辞めたのです。

境遇が近くて極めた人を目標に

レッスンを始めた頃はあまりにしゃべれなくて
挙句の果てには、先生が片言の日本語で話しかけてくる始末でしたが、
コツコツ続けるうちに下手ながら会話ができるようになってきました。

この調子だとTOEIC700点レベルにはなれるかなと思っていたのですが…。

自分と近い経歴でその道の最高峰にたどり着いた人を探すの。例えば英語なら日本にいながら翻訳家になった人とか。その人がやったことを調べて真似るの。それが手っ取り早い上達法だよ。ところで今のあなたを真似ようって人いる?

…そうですよね。やっぱり目標は高く持たないとだめですよね。
はい。まずはTOEICで860点目指しますよ。ええ。
言っちゃいましたね。。。

日本にいながら翻訳家になった人は、
シャドウイングというトレーニングをしてたとのこと。
そこでシャドウイングの勉強も導入することにしました。

決定版 英語シャドーイング

決定版 英語シャドーイング

常に自分の弱点を意識すること

Skypeのレッスンとシャドウイングを1週間ほど続けていました。
我ながらよく続いたものです。

しかし…

いつまで同じことやってるの?常に自分の弱点を意識しないとだめだよ。そしたらやり方はどんどん変わるはず。いろんな方法を試しながら、自分なりの勉強法を確立することが大切だよ

…というわけで変化を加えることにしました。

まずは、Skypeのレッスンで使用している教科書を変更することに。
事務局に相談すると「先生と相談するように」と言われ、
悪戦苦闘しながら英語で新しいテキストの相談をしました。

"This text is too easy for me!"(この教科書、簡単すぎ!!)

表現力がないためにかなり高飛車なことを言いながら
なんとかよさげな教科書に変更できました。

さらに、圧倒的なヒアリング能力のなさは、1日1時間のレッスンでは
どうにもならないことを痛感し、通勤時間は常に英語を聞くことにしたのです。

教材は以下を使いました。

入門ビジネス英語ベストプラクティス 1―NHKラジオ 自己紹介からプレゼンまで (NHK CDブック)

入門ビジネス英語ベストプラクティス 1―NHKラジオ 自己紹介からプレゼンまで (NHK CDブック)

不思議なもので2,3週間聴き続けていると、何を言っているか
なんとなくわかるようになってきます。

模試の結果、そして今後

こうやって勉強を1ヶ月続けた後、
TOEICの模試を自宅でうけてみました。

その結果、1ヶ月前が590点だったのに対し、
今回はなんと720点!!

まさかの130点アップでした。

あまりに効果があったので、思わずこのブログを書こうと思い立ったわけです。

でも、妻はこういうのです。

一つのことばかりやって100点を狙うより、三つのことをやって30点ずつ狙いなよ。手をつけて初めて世界が開けるんだよ。英語以外にもやるべきことがあるでしょ?完璧じゃなくていいから進めなよ。そもそも、あなたは一つしかやってなくて50点くらいだし

たしかに英語だけがすべてじゃありません。
でも、英語ができないと前に進めないのです。

頑張れ!俺!

と自分を鼓舞しながらこれからも英語を頑張っていこうと思います。


かつてネトゲで数十人を率いた妻の「マネジメント論」その4

妻語録の第4弾です。今月2回目の更新です。今回は内容をスリムにして更新スピードを上げてみました。
それでは本編です。


2011/5/15 10:02
子供の虐待問題について妻「人って自分より強いと思っている人に攻撃するんじゃないかしら。子供を虐待したり子犬を蹴っ飛ばしたりする人は、子供や子犬より自分が下だと思うほど参ってるんだと思う。専業主婦の私はあなたより立場が弱いから、強く当たる時があるんだと思うよ」…なんじゃそら!


2011/05/19 00:55
歯磨きをいやがる娘。終わったらご褒美をあげると言っても納得せず。そこで妻はご褒美の入った箱を持たせた。娘は快く歯磨きに応じた。「コンサルティングってこれと同じだよ。できる限り具体的にメリットをイメージさせるの。まるでそれが手に入ったかのように。それでやっとお客は動いてくれる」


2011/5/24 23:20
妻「恥ずかしがらず、自分の最終目標を声に出して周りに言いなよ。達成できないかもしれないけど、話して努力してたら、みんな応援してくれる。情報もたくさん入ってくる。確実に目標に近づくってこと。あなたは、『胸の奥に秘めた野望がある』とか言うけど、きっともう腐ってるよ。それ。」


2011/5/25 19:48
勉強会に行きたいと妻に言ってみた「意味あるの?人脈?じゃあ、こういう条件なら。1.予め質問を用意して必ず聞き出すこと。2.相手が欲しそうな情報を提供すること。3.笑わせること。そしたら相手はあなたに価値を見いだすはず。これが人脈だよ。あなたが今まで集めた名刺の束は単なる紙だよ


2011/5/29 (twitter 未公開)
妻「悩むのは情報が足りないから。解決するためには、本やネットで調べたり、人に聞いたり、自分で試したりして情報を集めることが大切。集まったら一瞬で決断できるよ。とにかく自分で手足を動かすことが大切。座りこんで腕を組んで『うーん』と唸るのは、単なるうっとおしい発声だから気をつけて!」

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続々)かつてネトゲで数十人を率いた妻の「マネジメント論」

妻語録の第3弾をまとめました。
夫婦の会話なんて時間が経つとほとんど忘れてしまいます。
でも、こうやってツイッターとかブログに書くと記念に残るのでよいですね。
ただ、記念にしてはちょこっと痛いですが(^^;

それではさっそく本編です。


2011/2/11 08:13
何故ネトゲで数十人を率いられたのかを妻に問う「そうなろうと一歩踏み出したからだと思うよ。するとやるべきことが見えてくるの。それをこなす内に自然と人が集まって力を貸してくれるの。そう言えば、あなたから何かやりたいって話はよく聞くけど、そのために何かしたって話しは聞いたことがないね」



2011/3/2 22:06
将来は長男にゲーム機とか買わざるを得なくなるなぁと話したら、妻「買わないよ。ゲームよりもっと楽しいことをたくさん教えるつもりだし。友達との付き合いで必要?大丈夫。ゲーム機持ってなくても仲間外れにならないような魅力を作ってあげるから。そもそもあなたが欲しいだけでしょ?」…作戦失敗。


2011/3/6 08:55
食事のマナーや好き嫌いのしつけについて妻「『食』は生きるために必須のものだから喜びであって欲しいの。だから最初はしつけよりも喜びを教える事を優先したいね」小学生の頃1人残って給食を食べさせられていた僕には涙が出そうな話「あなたは私の料理にもっと感謝しなよ」…はい。


2011/4/4 22:18
2歳の娘に「お菓子頂戴」と言ってみたら「いやだ」と言わず「パパこれあるよ」と別のお菓子を指差した。妻に伝えると「なるべく肯定形で話しているの。だめって言わずに『こっちをやろうね』って代案を示したり。大人でも否定形で話されると内容関係なくムカッとなって聞かないことあるからね」


2011/4/17 12:51
発明について妻「大きなバケツに色んな人が水を一滴ずつ垂らしているの。そして溢れた時に発明って生まれるんだよ。そういう積み重ねが必要なんだけど、あなたは斬新なアイデアがいつか天から自分にだけ降ってくると信じているよね。ひょっとして新興宗教にでも入った?」…入ってないけど、ごめん。

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2011/4/25 21:46
妻「子供達には自立した人になって欲しいの。例えば情報を取捨選択できること。衣食住やお金の管理ができること。コミュニケーションがとれること。したい仕事ができることとかね。教育法とかってその手段に過ぎないの。あなたって手段が目的化してるよね。早く人として自立しなよ」OH!シンラツ!


2011/5/2 23:26
かつてネトゲで数十人率いた妻「組織で問題が発生した時、まず皆の意見を交通整理するのが大切。自分の考えは一切はさまず、どんな意見でもまずは受け入れるの。だからそれができる偉い人ってものすごく寛容なわけ。それに比べて自分が気に食わないと私一人の意見すら受け入れらないあなたって・・・」


2011/05/12 20:38
英語を始めたいと妻に相談「1週間続けたら習慣になるから、悩んでないでまず始めなよ。一方で、無駄な事も1週間続けたら習慣になっちゃうの。だから意識して無駄を切り落とすことも大切。そうしないと新しいことなんて始められないよ…っていってるそばから何でマンガ持ってトイレに向かってるの!


2011/05/13 20:46
かつてネトゲで数十人率いた妻「みんなヒーローになりたいの。でも腰が重いのね。そこで私はお膳立てをしてあげるの。武器やお金を集めたり、敵を倒しに行く計画を立てたり。そしたらみんな活躍するよ。作業自体は地味だけど、その先に得られる物を考えたら苦にならないよ。もっと先を見て仕事しな」


2011/05/14 12:19
育児ストレスについて妻「子供たちはママのこと大好きに決まってるじゃん。大好きなママのために必死に好かれようがんばっているの。でもまだ小さいからうまく出来ていないだけ。少なくとも、ママのことを困らせてやろうなんて、これっぽっちも思っていないんだよ。そう考えたらイライラしなくなるね」

第二編 SEはみな平等である

「状態」と「権利」は異なる

 初編の最初に「SEは皆、生まれた時から上下の区別なく自由である」という旨を書いた。このテーマについてさらに深堀したい。

 繰り返しになるが、すべてのSEは生まれたときから平等である。
しかし、ここでいう「平等」とは、スキルや給料、または地位と言った現在の「状態」が平等であるという意味ではない。「権利」が平等であるという意味である。スキルの差、貧富の差、地位の差は存在し、さらにそれらの差は非常に激しい。大豪邸に住んで高級な服を着て、毎日高級料理を食しているものもあれば、犬小屋のような借家に暮らし、衣食すらままならない者もいる。また自分の才能を大いに活かして、国や社会に大きな影響を及ぼすシステム開発に主体的に関わる者もいる。その一方で、一生誰でもできるような低賃金の単純労働だけをしてSE人生を終えるものもいる。経営者や管理職のように、組織の中で強い権限を持つ者もいれば、まったく権限のないヒラ社員もいる。文字通り「雲泥の差」があるが、「権利」という面から見れば、みな平等なのである。

「権利」はどんなSEも平等に持っている

 ここでいう「権利」とは、命を大切にし、財産を守り、名誉を大切にすることを指す。これらは生まれたときから天から授かったものであり、何人たりとも侵すことのできない領域である。社長の命もヒラ社員の命も、命の重さは同じである。金持ちのお金も、貧乏人のお金も、自分の財産として守る気持ちは同じである。世の中の悪い習慣で「お上(経営層や上司を指してこう呼ぶ)がいうのでしかたがない」と言って、上からの支持を無条件に受け入れる時があるが、それは立場と権利を取り違えているのである。上司と部下は立場こそ異なるが、持っている権利は同じである。部下が痛いと思うことは、上司も痛いのだ。上司が甘いと感じるものはは部下も甘いと感じるのだ。痛いものを遠ざけ、甘いものを得ようとするのは人として当然の欲望である。迷惑をかけずに利をとるのは人が生まれながらに持っている権利である。この権利は上司もヒラ社員も重さに違いはない。上司は人事権、決裁権などを持っていて立場上強く、ヒラ社員は弱いだけである。貧富の差や社内の上下関係などは確かに存在するが、その差を持って強者が弱者に対して、無理を強いるのは権利の侵害にあたる。例えば、相撲取りが力が強いからと言って一般人の腕を折るようなものである。一般人の力は弱いけれども、弱いなりにその腕を使う権利はあるのに折られるのは非常に迷惑である。

立場の差を利用した「権利」の侵害例

 また、この議論を実社会に当てはめてみよう。江戸時代は、武士と庶民との区別ははなはだしく、武士は猛烈に権威を振りかざし、農民や町人を罪人のように扱っていた。その最たる例が「切捨御免」という法である。武士が家に来れば席を譲り、ひどいことに自分の家で飼っている馬に乗ることも禁じられるなど不条理な扱いを受けていたのである。

 次に現代の会社にあてはめてみよう。社員は、会社の経営方針に従い、上司から指示された業務を全うすることが職分である。逆に、経営者は、会社の継続的な成長を目的とし、目的を達成できるための案件を受注しつづけ、社員の働きに応じて安定して給与を支払い続けることが職分となる。

 社員に対する労働条件や職務内容、そしてそれに対する待遇は会社と社員との間で合意が得られた事項である。これらの内容をお互いが守っていれば特に問題は生じないのだが、経営層や上司がその権限を利用して、社員や部下に対し、不条理な扱いを行うことがある。例えば、決められた勤務時間を超過して働かせた挙句にその分の対価を支払わないケースなど日常茶飯事である。

 業務内容と待遇とにギャップを感じた場合、別の会社へ移ることは社員としては当然の権利である。しかし、経営者が、その立場を利用し、「自分はこの業界では顔が広い。ここを辞めるならこの業界では働けなくしてやる」などと脅して、辞めさせないようにするようなトラブルが多発している。

 そのようなとき、経営者は「今までおまえのために必死になって仕事を取り、給料を払ってきたのに、辞めるとはなんて恩知らずなのだ!」と社員を責めたりするが、仕事を受注することや給与を支払うことは、当然の義務に過ぎない。それは社員が「いままで会社の利益のために時間を割き、労働力を提供してきたじゃないか!」と言うのと変わらない。ただこんなことを言っても売り言葉に買い言葉であるだけで建設的ではない。とにかく一方的に恩を感じろと強要するのは筋違いなのである。

 そのような悪習がまかり通っているのは、その元は人間同等の意味を取り違え、貧富強弱の差を悪用し、立場が強いことをよいことに、弱い社員の権利を侵害するからそういうことが起こるのである。そのため、人は、権利は等しいことを忘れてはいけない。これは社会でもっとも大切なことと言える。

「ブラック化」は社員にも責任がある

 ここまでは、労働者の肩を持って話してきたが、一方で社員にも自分を戒めるべきことがある。そもそも会社と社員は、双方合意のもと雇用関係を結んでいるのである。その際の条件としていったん守ると約束したルールは、自分にとっていくら都合が悪くても、ルールが改定されるまでは守る必要がる。これが職分である。

 社員の中には、まったくスキルがないくせに勉強もせず、ただ会社に来ているだけで何の貢献もしないのにもかかわらず、欲ばかりが深い者がいる。そういう者は、勤怠が悪く、残業代をもらうために無駄に遅くまで会社に残ったり、定期券代などの経費をごまかしたりして、自分の会社に対する職分をまったく理解せず、自分がいかに楽をしながら、いかに高い給料をもらえるかばかり考えている。こういうものに部下がつくと、部下にもそのような悪習が伝播する。会社にとっては害としか言いようがない。

 こういう者に対しては、会社も強い態度で臨むしかなくなり、必然的にルールは厳しくなる。このようにして経営層の権限が強大化し、「ブラック企業」と化するのである。そのため、前述したような社員がはびこる会社にはブラック企業が多い。会社のブラック化を回避するためには、経営層が変わるだけでなく、社員も常に勉強を続け、高いモラルを持ち、経営層に対しても毅然とした態度がとれるようになることが必要だ。

 そのために私は学問が必要であると説いているのである。

おすすめ本

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ (まんがで読破)

学問のすすめ (まんがで読破)

端書 PMBOK読みのデスマーチ野郎にはなるな 

はじめに

 「学問のすすめ」をSE向けにアレンジしようと思い立ち、初編を書き上げたのが昨年12月です(初編はこちら )。それから4ヶ月以上たってようやく続きをアップすることができました。と言っても、第二編に入る前の「端書」だけですが(^^;
 自分で書いていてもかなり耳が痛いところがありますが、少しでもみなさまのお役に立てればと思い、自分のことは一切棚上げして書かせていただいております(^^;
 それでは本編をどうぞ。

PMBOK読みのデスマーチ野郎にはなるな

 心理学、宗教学から、天文学、物理学、化学、情報科学、ソフトウエア工学など「学問」には様々な種類がある。
 いずれもみな知識や見聞を広げ、物事の仕組みを知り、人としての職分を知るためのものである。知識や見聞を広げるためには、人の話を聞き、自分で考え、書物を読むことが大切である。
 そのため書物が読めることが学問をするうえで必須の条件となるが、それだけで学問をしているとは言えない。読書は学問をするための手段の一つにすぎない。家を建てる際ののこぎりと同じである。のこぎりは確かに必要だが、名前と使い方を文字で読んだだけで、実際に使い方が下手なら大工とは言えない。
 プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)に読み込んでPMP(Project Management Professional)やプロジェクトマネージャの資格を持っていても、実際の開発プロジェクトで、メンバーを無駄に働かせたあげく、納期、予算も大幅に超過したうえに顧客の望んでいない仕様のシステムを納品するような者はプロジェクトマネージャとは呼べない。「PMBOK読みのデスマーチ野郎」とはまさにこういう者を指す。
 プログラム言語の文法を数多く知っていても、顧客の業務について全く知らない者は満足度の高い業務システムは作れない。
 孫子マキャベリなどの古典や、ドラッカーを読みあさり、そこに書かれている内容について雄弁に語れても、自分の会社を成長させられず社員の苦労に報われない者は経営者としては失格である。
 そういう者は単なる「飯食う字引」、言い換えれば「人件費のかかるgoogle」である。会社にとって、ひいては国にとっては無用、むしろ人件費がかかる分邪魔といっても過言ではない。つまり、書物を読むことだけが「学問」ではないのである。

 本書のタイトルを「学問のすすめ」としているが、決して書物を読むことだけを勧めているのではない。先に第一編を書いたが、今後も第二編以降で各国の様々な分野の文献から、一般に知っておいた方が良いと思われる事柄を引用などしながら「学問」とは何かということを説明していく。

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ (まんがで読破)

学問のすすめ (まんがで読破)

続)かつてネトゲで数十人を率いた妻の「マネジメント論」

3ヶ月前、「かつてネトゲで数十人を率いた妻の『マネジメント論』」と題して妻語録をまとめたのですが、かなりすごい反響がありました。びっくりです。
コメントもたくさんいただき、とても勉強になりました。みなさんありがとうございます。

あれから3ヶ月ほど経ちました。子供二人の世話で大変なはずの妻から僕は相変わらず色々言われています。

そういうわけで妻語録の第2弾をまとめましたので、お時間のある方は是非読んでみてください。。


2010/11/06 22:10
妻が寝込んでいた頃、いやいや洗い物をしている僕を見かねて「人生の目標がないからダラダラしちゃうんだよ。50年後にどうなっていたいかを真剣に考えなよ。時間がもったいなくて、チャキチャキ動くようになるから」・・・妻がエクセルで作った今後50年の予定表兼予算表を見ているだけに無条件降伏


2010/11/09 20:58
妻「税金受け取ってるとみんなに頭下げないといけないから公務員って大変だね。みんな、してもらった事はすぐ忘れるけど、してあげた事は中々忘れないからね。あなただって、私がいつもしてる家事の一部をしただけで、何日も言い続けるよね?普段『ありがとう』とか言わないくせに」世間話が一転・・・


2010/11/21 10:51
だらだらネットをしていると妻が「あなたを必要としている人がいたら、手違いで刑務所に10年入れられることになっても、その人達が助けてくれると思うの。でもそういう人がいなかったら、あなたが10年刑務所に入っても、家族以外誰も関心すらもたないよ。いいの?」…さてと、勉強でもしようかな?

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2010/11/28 00:21
「勉強とか趣味とか新しい事を始める時、最初に何に力をかければよいと思う?」と妻。「え、何?」と僕。「そうやって、すぐ答えを聞こうとするでしょ?頭使っていない証拠だよ。仕事ができる人は、そういう時でも自分なりの答えを出してから『合ってる?』って答えを聞くと思うよ。」…ひっかけ問題?


2010/11/28 11:15
妻「勉強とか趣味とか新しい事を始める時、最初に力をかけるべきことは、それをやる時間を確保すること。時間を確保して実際に始めたら自然とやることも見えてくるよ。『やりたいことがあるのにできてない』と愚痴っていても何もかわらないし、こっちも気分悪いだけから、まずきちっと時間を作りなよ」


2010/12/11 07:18
根に持つタイプの僕に妻がチクリ「人を恨むのは時間の無駄。一度相手の身になりきって、なぜそういう事をしたのか真剣に考えてみなよ。それが理解できたら、きっと恨みの感情から開放されるから。許さなくていいの」最初はよくわかりませんでしたが、最近になって「なるほど」と思えるように。


2010/12/31 10:28
大掃除にて妻「絵を描く時はまず全体の構図を決めるの。いきなり細かい所から描き始めたら破綻するよ。さっきから同じ所ばかり拭いてるあなたは一度絵を習った方がいいよ」


2011/01/14 22:36
早くも子供達が人生の選択を誤りそうな時のことを心配していると妻「原因は情報量不足。まずは言い分をしっかり聞いてあげるの。そして足りていない情報を見つけて教えてあげるの。そしたら自分でキチンと考え直すよ。すぐ頭ごなしの否定から入るあなたは職場でも求心力なさそうだね!」…なぜそれを?


2011/01/16 16:47
かつてネトゲで数十人率いていた妻は、その日にやることを数分間整理してからゲームを始めていた「計画なしに始めると、なし崩し的に物事が進んで、あっと言う間に時間が過ぎるの。まるであなたの仕事の様に。ちょっと準備をするだけで得られるものの質が全然違うの。」…仕事しているところ見た?


2011/01/16 (twitter 未公開)
子育てでへこたれない妻「とにかくやり続けるの。子供が夜寝てくれなくても、毎日8時に寝室に連れて行くの。1日目うまくいかなくても2日目も連れて行くの。もちろん3日目も。そうすると自然とアイデアが出てくるものだよ。障害にぶつかれば解決法を考えるからね。何もしなければ何も進まないよ」。


バックナンバー
妻語録その1
妻語録その2
妻語録その3
妻語録その4
妻語録その5
妻語録番外編