はじめに
子どもの勉強をサポートしながら、自らも資格を取ってしまおうという目論見の第5回目です。
前回は調達マネジメントについて整理し、塾との契約は、こちらのリスクが高い契約だと書きました。
というわけで今回は、そのリスクとどう向き合えばよいのかを整理します。
リスクとは
少し教科書の話をすると、リスクとは悪いことだけでなく、今後の計画や目標に影響することは、良い事もリスクみたいです。
例えば、
予想以上に成績が良くなると、志望校のレベルを上げて勉強量を増やさないといけない。
こういうのもリスク管理の対象とのこと。
ただ、今のところは、良い事まで心配する余裕はないので、まずは悪いことに対する備えを整理しようと思います。
リスクはテイクするもの
中学受験にチャレンジする上で、当初の思惑と異なる悪いことと言えば、
入試に落ちるかもしれない
ということが、一番に挙がってくると思います。
中学受験は、相当の時間とお金をつぎ込んでの
チャレンジとなります。
だから、親も子どもも、まず、チャレンジすること自体に尻込みしてしまいます。
受験に失敗したくなかったら、受験しなければよいという考え方もあるでしょう。
お金も時間も別のことに使えます。
教科書的には、こういうリスクへの対応を「回避」と呼びます。
ビジネスの世界でも、リスクがあるなら、新しいことはやらずに、現状維持を図るマネージャかいます。
そんな組織は、つまらないだけでなく、目には見えないだけで、「やらないリスク」を背負うことになります。
そもそも、リスクがあれば現状維持、確実に勝算がある時だけゴーサインを出すような意思決定なんて猿でもできるのではないでしょうか。
とは言え、何でも突き進むのは、単なる無謀です。
チャレンジするうえで、何が得られて、一方でどんなリスクがあるかを把握して、そのリスクにどう立ち向かえるかを考えたうえで、意思決定することが重要です。
中学受験のリスク
入試に落ちないように、子どもに今以上に勉強をさせたくなるし、塾の成績が悪いと、焦って、もう一つの塾を探したり、新しい問題集を買ってきて解かせたくなるのも親心です。
ただ、学力以外にも様々なリスクがあります。
まずは、列挙しますね。
(教科書的には「リスクの特定」)
- 受験そのものに起因するリスク
- 学力が伴わない
- 必要な勉強量をこなせない
- 塾の授業についていけない
- やる気が出ない
- 勉強時間を確保できない
- 勉強できる環境を確保できない
- 過度の勉強により
- 本人が体を壊す
- 親が体を壊す
- 本人がグレる
- 本人が引きこもりになる
- お金が底をつく
- 学力が伴わない
- 受験とは関係なく発生しうるリスク
- 本人に他にやりたい事ができる
- 介護が発生する
- 兄弟が身体を壊す
- 親が会社をクビになる
- 会社が倒産する
リスクは挙げ始めるとキリがないですね。
そのため、発生する確率と起こった時のダメージを考えて、どのリスクに優先的に対処するのかを決めるのが、最初のステップになります。教科書的には「リスクの定性分析」や「定量分析」ですね。
リスクの分析
上で書いたようなリスクに対して、「発生確率」と「影響度」がどれくらいかを、ざっくり考えます。
「発生確率」が高く「影響度」も高いリスクはもちろん、優先度が高くなります。
たとえ、「発生確率」が低くても、起こったら、確実に受験できなくなるリスクについてはケアが必要です。
例えば、塾代を賄う親が倒れてしまえば元も子もないので、親の体調管理は重要になります。
また、本人がグレたり引きこもったりする可能性は低いかも知れませんが、勉強をあまりにも強要しすぎると受験どころではなくなるかも知れません。
リスクへの対応策
回避
例えば、受験直前の1月に学校でインフルエンザが流行っているとします。その際、学校を休ませるというのが、「回避」に当たります。
軽減
上記の例で、学校には行かせるけど、マスクをしたり、手洗いうがいを徹底するというのが、「軽減」に当たります。
発生確率を減らす対応ですね。
転嫁
発生した際に、別の誰かに責任を押し付けるのが、「転嫁」です。保険に入るとかが対応の例ですが、受験では、仮に一定の保険金を払ったら受験に失敗した時に塾代が戻ってくる保険があってもあまり嬉しくないですね。。。
受容
文字通りそのリスクを受け入れる対応です。
落ちるかも知れないけど、その時はその時だと割り切る考え方です。
受験の場合は、万が一落ちても、しょうがないというある程度の割り切りが必要ですね。