最近、STEM教育という言葉が注目されています。その一環ということで、プログラミング教育も注目されています。
STEMは、
S:Science(科学)
T:Technology(技術)
E:Engineering(工学)
M:Mathematics(数学)
の略語とみたいです。
では、この4つはどういう関係なのでしょうか?
Science(科学)とMathematics(数学)はわかりますが、Technology(技術)とEngineering(工学)というのがわかりにくですね。
色々調べましたが、ざっくりいうとこんな感じみたいです。
数学や科学というのは、自然界に元から存在する法則を「発見」する学問です。
なので、人の生活に役立つかどうかは関係なく、今まで誰も目つけられなかったものを発見することが価値になります。
その「発見」された法則を用いて、人の生活に役立てる仕組みを「発明」するのが技術です。
そして、その「発明」された「技術」を実用化するのが、工学です。
外国はわかりませんが、日本の場合のSTEM教育の目的は、下記の2点かな?と勝手に妄想しています。
- 理科系教育の強化
- 早いうちから、技術や工学を学ばせる
それでは、なぜ、これらのことをやらないといけないのでしょうか?
なぜ理科系教育の強化?
車や家電を作って売っているメーカーを例にして話を進めます。
これも、個人的なイメージになってしまいますが、メーカーというのは、「ものづくりが命」といいながらも、偉くなっているのは、営業畑の人とか、財務とか経理畑の人が多いような気がします。
ただ、ITやAIの技術がここまで発展してくると、例えば、営業の重要性も下がってくると思われます。
これまでは、いくら良いものを作っても、そらを必要とする人に認知されなければ、売れようもなかったわけです。
また、世の中が何を求めていて、どういうものをどれだけ作り、どうやって売れば良いかという戦略を考える人が重宝されていたのです。
でも、こらからの時代は、顧客自らインターネットで検索すれば、欲しいものを見つけられますし、逆に営業が足を使わなくても、ITを駆使すれば、自社製品を欲しがる顧客を探し当てられるようになるでしょう。
また、経理も同じで、大量の経理データを分析し、最適な戦略案を機械が導き出せるようになると思います。
そうなると、メーカーは、より良いものをいかに作れるか、いかに安価に作れるかということが、競争力の源泉になってくるでしょう。
なぜ早いうちから技術や工学を?
これについては、実は昔から「早期に学ばせるにこしたことはない」と考えられていたのかな?と勝手に想像しています。
実習には、技術や工学を学ぶには設備も必要ですし、材料費もかかります。
だから、これまでは、高専や理工系の大学など、限られた所でしか教育の機会を提供できなかったのかな?と思います。
ただ、最近は、特別な機械がなくてもパソコン一つでいろいろできるようになりました。
パソコンも安価になりました。
さらに、Scratchのような子供でもプログラミングを体験できる教材も無償で公開されています。
さらにタブレットを使って、子供でもドローンを飛ばすようなプログラミングも簡単にできる時代なんです!
というわけで、安価に実習の機会を提供できるようになったことも大きいと思います。
また、技術や工学の分野では、誰もやったことのないことで役に立つことを「発明」し、実際に作り切ることが大切なはず。
そのために、常に課題をもって物事を見て、とにかく「やってみる」ということを子供の頃から習慣づけることが、今後に生きてくるのではないでしょうか。
好きなプログラムを最後に書いたのはいつだろう
先日、子供のプログラミング体験に参加しました。先程紹介した「Scratch」を使ってゲームを作る体験でした。キャラクターがボールをキャッチするゲーム作りをしました。
子供たちは、最初教えられた通りのゲームを作っていましたが、ある程度慣れてくると、ボールの代わりに、みかんをキャッチさせてみたり、ボールをキャッチした時に、音を鳴らしてみたり、いろんな工夫を始めました。
そんな、風景を見て、重要なこと気づいてしまいました。
かつて僕はプログラマーをやっていたのですが、当時、自分が好きなプログラムを書いたことなんてほぼなかったです。
システム開発の現場では、設計されたものをしっかり作ることが求められます。
当時、忙しさにかまけて、自分の組みたいプログラミングをする時間を使いませんでした。
こんなことでは、創造性なんて育つわけもありません。。。
仕事で身につけたテクニックやノウハウを、もっと活用できる方法を考えていくことが必要だったと今更ながら思います。
今の子供は、この、STEM教育を受ける機会が増えると思います。
その際、子供たちには、単なるプログラミングのテクニックだけではなく、最新の技術を使って何ができるのか、何がしたいのかを考える素養も身につけて欲しいと思います。