オリンピックを見ている間に、
あっという間に8月中旬になりましたね。
中1のお姉ちゃんは、
部活しながら、夏休みを満喫しています。
一方で、弟くんは、
サピックスとセカンド塾の夏期講習に
勤しんでいます。
さて、サピックスの国語の夏期講習で、
よい論説文を取り扱っていたので、
今回はそれを紹介します。
タイトルは、ずばり、
「子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?」
です。
内田樹(うちだ たつる)さんという方が
書かれた論説文です。
うちもそうですが、
中学受験に挑戦する
ご家庭の多くが
考える疑問ではないでしょうか。
子どもからの反論
勉強するための理由の一つとして、
例えば、
「将来豊かに暮らせるようにするため」
と子どもに伝えたりしますよね?
そうすると、
子どもは以下のような
反論ができてしまうのです。
「豊かに暮らす必要ないもんねー」
とか
「勉強しなくても
お金持ちになる
方法あるもんねー」
とかですね。
うちもそうですが、
こう言われて、
口をつぐんでしまう親御さんも
いらっしゃるのではないでしょうか?
それは
なぜ勉強しないといけないのかを
親も本気で考えていない
と著者は述べます。
勉強は誰のため?
筆者は、
「勉強する」というのは、
ひとことでいうと
「生き延びる力を身につける」
ことです。
と述べています。
そして、もう一点、
大切なポイントがあります。
この「生き延びる」の対象が、
個人ではなく集団なんです。
自分自身が豊かになるためではなく、
集団が豊かになるために勉強するのだ
と著者は述べています。
自分たちが
社会の主役になった時
「生き延びられる社会」
にできるよう、
子どもたちの世代の何割かは、
勉強しないといけないのです。
ワクチンと勉強
すこし話がそれますが、
そう考えると、
ワクチンも
自分のためというより
集団の感染を抑えるために
受けるのかもしれないですね。
当然ながら、
摂取は、個人の自由です。
ただ、みんなが
摂取しなかったら、
今、もっとやばいことに
なっていたかもしれません。
勉強も同じで、
全員がやらなくても良いですし、
「自分にとっての意味」
だけを考えれば、
勉強することの意味を
見いだせない人も
多くいるでしょう。
だからと言って、
全員が勉強しなかったら、
困ったことが起きるのです。
大人になるということ
著者は、
世の中が
「子ども」だらけになるとまずい
と述べます。
ここでいう「子ども」とは、
以下のような人を指します。
自分のことしか
考えないで、欲しいものがあれば
「欲しいよお」と
じたばたし、気に食わないことがあれば
「責任者出てこい!」
とわめきたてるような
人たち
こんな人たちばかりになると
集団は存続できません。
大人になるというのは、
上記のような「子ども」の
状態を卒業することです。