教育費に身ぐるみはがされた中年サラリーマンの逆襲

教育費の巨人にアラフィフサラリーマンが無謀な闘いを挑みます。

学問のすすめ 第13編 ねたみ最悪論

はじめに

数年前、
福沢諭吉学問のすすめ」を
SE視点で口語訳していました。

更新に相当時間がかかることもあり、
途中までしか訳せていませんが(汗)、
中学受験にも参考になることが
たくさん書かれていると思います。
あと、少々長いです。。。


そして急に思い立ち、
今回「サピパパ版 学問のすすめ」として、
第13編「怨望の人間に害あるを論ず」を
口語訳してみました。

少々長いですが、
お付き合いください。

「ねたみ」最悪論

最もたちの悪い不徳

人間にはさまざまな不徳があるが、
「ねたみ」程、たちの悪いものはない。

金への執着が強い奴、
やたら贅沢する奴、
すぐ人の悪口を言う奴、
みんな嫌な奴だが、次のように、
それらの短所が長所となる場合もある。

金の執着が強い奴

お金はあるに越したことはない。
誰だってお金は欲しい。

確かに、あまりにお金が好きすぎて、
法律を破ってお金お稼ぐのは
悪いことだが、

法律や社会規範を守り、
着実にお金を稼いで貯められる人は、
逆に徳が高いとも言える。

やたら贅沢する奴

より豊かな生活をしたいと思うのは、
人の性である。

自分の稼ぎで、
欲しいものを買ったり、
行きたいところに旅行したりすることは、
不徳でもなんでもない。

稼いだお金をしっかり使い、
豊かな生活ができること。

こんな素晴らしいことはない。

すぐ人の悪口を言う奴

人の欠点をつくことを「誹謗」といい、
他人が迷っている時に、
相手を論破することを
「弁駁(べんばく)」という。

確かに人の欠点をつくのは、
気分が良いことではない。

しかし、それが真実である場合、
必ずしも悪だとは言い切れない。


上記以外でも、

無謀 ↔︎ 勇敢
粗野 ↔︎ 実直
頑固 ↔︎ 軸がぶれない
浅はか ↔︎ フットワーク軽い

等、
不徳と美徳は表裏一体の
関係であることが多い。

上記のような嫌な奴らも、
時と場所によっては、
ヒーローになりうるが、
「すぐに人をねたむ奴」だけは、
裏も表もなく、
いつでもどこでも、
24時間365日、
嫌な奴なのだ

すぐに人をねたむ奴は、
人の成功に不快感を抱く。

そして、快感を得られるのは、
自分が利益を得られた時ではなく、
他人が損害を被った時だけである。

そのため、
自分の利益を得るより、
他人を陥れることにエネルギーを注ぐ

そんな奴ばかりで溢れかえれば、
世の中の幸福の総数は減る一方だ


さらに、ねたみは、
さまざまな悪事の原因となりうる。

例えば、
ねたみが原因で、
陰でひそひそ話しをしたり、
ある人をのけ者にしたりし始める。

エスカレートすると、
いじめや殺人、
テロ的な行為に及ぶ場合もある。

いずれにせよ、
社会全体にとって、
何の利益ももたらさない。

ねたみの原因

このような諸悪の根源足りうる
「ねたみ」が
なぜ生まれるのだろうか?

貧富の差が引き起こすのか?

それだけではない。

世の中には、
実際に貧富の差が存在している。

それでも、
貧しい人間が全員、
すぐ人をねたむ奴に
なり下がるとすれば、

社会は1日たりとも、
維持できないだろう。

その貧富の差が、
何故生じたのか、
その原因を理解できれば、
「ねたみ」は生じにくいのだ。

それでは、
いつ「ねたみ」が生まれるのか。

それは、
偶発的に
幸福か不幸かが決まるような
状況によって生じやすい

のである。

昔、孔子先生が

「女子と小人とは近づけ難し、
さてさて困り入りたることかな」

とため息をついたと
言われている。

おそらく孔子先生の
経験に基づき語ったのだろう。

孔子先生が
生きておられた時代は、
女性の地位は低く
小人(召使い)は、
どんなに努力しても
その血筋は、
ずっと召使いであることが
決められている

時代であった。

そのため、
女性や召使いは、
自分の力では幸福を
得られないため、
恵まれた人たちに対して
「ねたみ」の気持ちを持つ
傾向が強かったのである。

このように、
孔子先生の時代は、
女性や召使いから
「ねたみ」が生まれることは
自明であったのに、

孔子先生ともあろう方が、
それをただ嘆くだけとは、
あまりにも残念に思う。

今の時代はどうなのか

今の時代は、
どんな境遇で生まれても、
人は努力次第で、
何にでもなれる。

・・・と言うのが、建前である。

しかし、 
例えば、専業主婦の女性は、
経済力を夫の稼ぎに依存してしまう。

我が子をサピックス
通わせたいと思っても、
夫の稼ぎが少なければ
通わせられない。

そうすると、
子供の学力に顕著な差が見え始め、
「ねたみ」も生まれやすい。


もし、
国が、未来の担い手である
子供たちの教育水準の底上げを
本気で考えるのなら、
親の所得で
子供の学力に差がつく
状況はなんとかしないといけない


子供の学力の格差から生じる
「ねたみ」に対しては、
国にも責任の一端をはあるにしろ、
親の責任は、当然重い


自分たちの怠慢を棚上げにして、
子供の学力差を、
先天的なものだと、
決めつける傾向がある。

天才信仰
と言えるものだ。

「あの子が
サピックスのαクラスに
上がれたのは、
元々IQが高いからだ。

ウチの子はIQが低いから、
クラスが上がらない」

という考え方である。

もし、
子供の学力が
「生まれつきの頭の良さ」
だけで決まるとすれば、
それは努力の及ばない
偶発的なものとなる。

そう考えれば、
自らの怠慢については、
責任を免れる。

しかし、
子供の成績の格差を
目の当たりにした時、
「ねたみ」が生じるのだ。

αクラスの子を持つ親は、
想像を絶する努力をしている

まずは、
αクラスの家庭をねたむ前に、
αの親子が
毎日どういう取り組みを
行っているかを
面と向かって聞いてみれば良いのだ。

そうすることで、
αの親や子供とも
仲良くなれるだろうし、
「ねたみ」の気持ちも晴れるだろう。

そして、
自分の子供の成績も伸びるだろう。


最後にもう一度言うが、
αの子供や親をねたんでも、
自分の子供の成績は伸びないし、
社会全体の学力を
下げる方向にしか力が働かない
ので、
絶対にやめるべきである。

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  • 作者:齋藤 孝
  • 発売日: 2011/11/01
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