山口周さんの本
戦略コンサルタントとして活躍され、今は、大学の先生や本の執筆、講演等、活動の場を広げている山口周氏の本「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」を読みました。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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現代は、VUCAの時代と言われます。
VUCA とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた略語です。
つまり、「これをやっていれば間違いない」という正解のない世の中になっているということです。
以前に紹介した藤原和博さんの話にも通じるものがあります。
山口周さんは、
全体を直覚的に捉える感性と 、 「真 ・善 ・美 」が感じられる打ち手を内省的に創出する構想力や創造力が 、求められることになります 。
と書かれています。
受験エリート
そして「受験エリート」についても、言及されております。
さて 、本書の主題をなす 「エリート」と 「美意識 」について考察する際 、どうしても避けて通ることのできない題材があります 。オウム真理教です 。というのも 、これほどまでに 「偏差値は高いが美意識は低い 」という 、今日の日本のエリ ート組織が抱えやすい 「闇 」を 、わかりやすい形で示している例はないと思うからです 。
オウム真理教は、修行のステージがわかりやすく、段階的になっていて、教祖から言われた修行をすれば、どんどん上に登っていくシステムだったらしいです。
αクラスを頂点としたサピのクラス編成に通じるものがありますね。。。
それに対して、実際の社会はそうではありません。頑張ったからと言って、必ず上のステージに立てるとは限らないし、「え?こいつが!?」と思うような人が、自分の上に立つこともあり得ます。
受験エリートのうち一部は、このような不条理に耐えきれず、階級が明確にあり、どうやったら上に行けるかが、わかりやすい、オウム真理教に傾倒したのではないかと述べられています。
子ども達への教育
こういう論調が出てくると、すぐに、
「偏差値教育の弊害」
とか、
「詰め込み教育は子どもをダメにする」
とか、
受験勉強に対する批判が出始めます。
受験で高い偏差値を取るような力だけでは、これからのVUCAの時代に立ち向かっていけないのは事実でしょう。
ただ、だからと言って、サピでやっているような勉強が不要とはならないと思います。
高い知識と教養を兼ね備えた上で、さらに、美意識も磨いていかなければならないのだと僕は解釈しました。
受験に向かって突き進むことが、山口周さんが著作に書かれているような考えを持てる人になるための道だと考え、今のところは、サピ代を払い続けようと思っています。